作品「シャンテ」の絵葉書

文部省美術展覧会招待展出品


1992年(平成4年)5月22日(金曜日)毎日新聞 「地域のニュ−ス」より。

幻の名作「シャンテ」公開
55年ぶり 故角野画伯の大作
神戸・海文堂書店


1920年代から30年代にかけて、パリを中心に活動を続け、帰国後は阪神地区の美術文化の発展に尽くした洋画家、角野判治郎画伯(一八八九―一九六六)の幻の大作「シャンテ」が二一日から、神戸・元町通の海文堂書店で一般公開されている。
フランス語で「歌」を意味する「シャンテ」は1937(昭和12)年の文展に出品された。縦1.3、横3.8辰梁膾遏ギターに合わせて歌う男たちの目や口は黒く塗りつぶされ、フランス仕込みの明るく、しゃれた画風が特徴の角野画伯の作品の中では、極めて異質。大恐慌や二・二六事件などの時代背景を強く反映した作品と言える。
文展出品後、「シャンテ」は自宅のある神戸・須磨のアトリエに眠っていたが、画伯の弟子だった人が同書店の島田誠社長と親交があったことから55年ぶりに公開されることになった。30数点に及ぶほかの作品は昨年神戸市に寄贈され、今春六甲アイランドにオープンする・小磯記念館に収蔵される予定。
長男の妻、角野文代子さんは「父は生前一度も個展を開くことがありませんでした。今回作品品を披露することが出来て本人も喜んでいるでしょう」と話している。